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2014年08月15日 前へ 前へ次へ 次へ

変革進めるタイ軍政(上)(既報)

BOI主導
経済立て直しに力

 クーデターで全権を掌握して3カ月弱。タイ国軍が変革を急いでいる。1930年代に絶対君主制に終止符を打って以来、19回目のクーデターに「またか」という冷めた目線を送る国民は少なくない。しかし地方や低所得者層を中心に民主主義を求めるタクシン派と、エリート層や中高所得者層を中心に確固たる政治基盤を構築すべきと主張する反タクシン派の溝は深く、解決には軍事クーデターしかなかったとの見方もある。タイ国軍は来年後半の民政移管に向け、政治・経済の立て直しを一気に進める方針だ。

※和解イベント開催
 「国家は危機に直面している」「手遅れになる前に介入する」「愛を取り戻すため」「タイは良くなる、幸せになる」。タイ軍事政権トップのプラユット陸軍司令官自らが作詞した曲の歌詞だ。曲のタイトルは「タイに幸せを取り戻す」。5月下旬の軍事クーデター以降、テレビなどで頻繁に流されている。全権を掌握する国家平和秩序評議会(NCPO)は、国民和解イベントと称し各地で催し物を開催するなど、来年の民政移管をにらんだ地ならしに余念がない。
 NCPOは今月上旬、暫定議会を招集した。先月には来年の民政移管までの国家運営の大枠を規定する暫定憲法が国王に承認されており、今月後半には暫定首相が選出される見通しだ。プラユット陸軍司令官は9月末で定年を迎えるが、同司令官が暫定首相に就任するとの見方が現地では大勢を占める。同司令官に強権を集中することによって、前回(2006年)の軍事クーデターの際に早々と大半の権限を暫定内閣に譲ったことで政治混乱につながった同じ轍を踏まない狙いがあるとみられる。
※進出企業に根回し
 経済の立て直しにも力を注いでいる。NCPO議長のプラユット司令官自らが投資委員会(BOI)の委員長に就き、これまでの政局混乱で停滞していた未承認の投資案件を一気に認可しつつある。このため、タイ企業幹部や在タイ日系化学メーカー幹部らは「軍事政権により経済環境は改善している」と口を揃える。軍幹部はクーデター前後、在タイ日本経済界の幹部らと面会を重ねるなど、タイ経済を支える日本からの投資に影響が出ないよう根回しも欠かさない。
 一方で、NCPOはタクシン派政権時代にバラマキとの批判も大きかった諸政策の見直しに乗り出した。これには化学産業に大きな影響を及ぼすエネルギー政策も含まれている。このため、タイに進出した化学関連企業も先行きを注視する必要があるだろう。

【写真説明】演説するプラユット陸軍司令官(写真提供=THAI ARMY)


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