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供給制約と稼ぐ力に総合力で挑戦を
「よみがえる日本経済、広がる可能性」の副題を付けた2014年度経済財政白書が公表された。最近の経常収支の赤字が問いかける論点を整理し、女性や高齢者の活躍の場を広げて「供給制約」の緩和、日本企業が比較優位を維持している分野を強化して「稼ぐ力」(付加価値を生み出す力)の重要性を強調したことに注目したい。
白書は3章構成で、第1章は「回復基調が続く日本経済」。4月の消費税率引き上げによる反動減はあるものの、企業収益の改善による設備投資の緩やかな増加など回復基調を維持していると判断。日銀の大胆な金融政策効果も徐々に発現しているとする一方で、デフレからの脱却と経済成長率を高める成長戦略と財政健全化の両立が重要とした。とりわけ医療・介護費の効率化を強調した。
第2章は「デフレ脱却への動きと賃金をめぐる論点」。物価上昇の持続性を検証したうえで、デフレ脱却に不可欠な時間当たり賃金と物価の関係、実質賃金の上昇と労働参加拡大への課題を考察した。4-6月期は駆け込み需要の反動もあって需給ギャップは拡大したものの、今後は物価上昇が見込まれ、需給ギャップも着実に縮小すると分析した。デフレ脱却への道筋を確かなものにするために実質賃金の上昇を求めた。
第3章の「我が国経済の構造変化と産業の課題」では、経常収支の赤字に切り込んだ。日本の経常収支は11年以降、黒字幅が急速に縮小、今年1月から4月は年率で約4兆円の赤字となった。この最大の原因は鉱物性燃料の輸入増加が大きいとしながらも、日本経済を取り巻く環境が様変わり、構造的な課題が浮き彫りになったとみる。
家計部門の貯蓄減少や設備投資の回復を背景に貯蓄投資バランスが変化して、貯蓄超過の縮小を指摘するとともに、需給バランスの観点からはデフレ下で隠されてきた資本と労働の供給制約が景気回復によって顕在化してきたという。もう一つは、製造業の海外生産拡大や新興国との競争激化によって非価格競争力低下を強調した。
日本経済の再生、新たな成長に向けて供給制約への対応を強調する。少子・高齢化による生産年齢人口の減少に女性や高齢者の活躍できる環境のほか、世界で最もビジネスしやすい環境を整備して、内外企業の国内投資の促進を迫った。
稼ぐ力の強化も訴えた。資本財や素材など比較優位を維持している産業がグローバル・バリュー・チェーンの中核を担うべきと期待。製造業とサービス業が連携し世界経済の活力を取り込むことも必要という。日本の総合力で課題に挑戦したい。