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台湾・長春グループ 廖龍星董事長に聞く
中核3社、目標1つに
売上高100億ドル、短期に実現
近年の積極的な投資が実を結び、全体売上高100億米ドルが視野に入ってきた台湾石化大手の長春グループ。昨年末には新役員人事を発令して経営陣の若返りを図るなど、来るべく新時代に備える。今後の戦略などについて、新たにグループ主要3社の長春石油化学、長春人造樹脂、大連化学の董事長を務める廖龍星氏に聞いた。
◇ ◇ ◇
-昨年末に新体制が発足しました。
「長春グループは長春石化、長春人造樹脂、大連化学の3社を中核企業としている。過去、主要3社では、ある部分では連携しながらも、それぞれ独自の経営目標の実現に向け経営資源を投入してきた。新体制のもと、グループ全体を統括するホールディング会社のような組織を立ち上げた。この新組織を軸に、グループ全体としての経営目標を1つに統合し、経営資源や情報などを共有化する。グループとしての最適な投資戦略の立案や、経営効率の改善を図る狙いだ」
*米国展開も視野*
-今後の経営目標は。
「まず、短期的な目標として売上高100億米ドルを目指す。昨年の売上高はグループ全体で72億米ドル。現状の生産機能をフル活用することで、この目標は実現可能だ。中期的にはシェールガスを念頭に置いた米国での事業展開も視野に入れ、各種の調査を進めている」
-会社の規模拡大に向けたM&Aの可能性は。
「将来的には可能性の一つだと考えるが、現状では自社グループの足場固めが最優先だ。大型のM&Aを遂行するためには、強固な財務基盤や異なる文化を持つ企業をまとめ上げるマネジメント能力が不可欠。長春グループの企業文化として、単なるファイナンス目的の投資案件を追求するつもりはない」
-将来の海外投資について。
「昨年、キュメン、アリルアルコール、酢酸ビニルモノマー(VAM)の新工場を立ち上げたシンガポールでは、将来の構想としてVAMの川下展開を検討する。加えてグループの他拠点で生産する原料をシンガポール、もしくは既存のマレーシア拠点に輸送して、少量・多品種の製品を事業化するという構想も持っている。また、マレーシアではペトロナスが主導するRAPID計画への参画も検討したことがあった。しかし、シェールガスや石炭化学など原料多様化が進む現在、ナフサベースの石化計画の比重が大きくなることはリスクが大きいと判断している」
*R&Dに積極投資*
-R&Dの方向性について。
「現状では、R&D予算は総売上高の2〜3%規模。将来的には、さらに積極的にR&Dに投資していく。対象となるのは、生産効率を高めるプロセス技術やグリーン製品関連、品質の改良、アプリケーション開発などだ」
-新規株式公開(IPO)の可能性は。
「過去、IPOの可能性を考慮したこともあった。しかし、IPOのメリット・デメリットを比較したとき、デメリットのほうが大きいと判断した。現在も長春グループの財務状況は健全であり、現時点でIPOの必要性は低い」
(聞き手=清川聡)
【写真説明】長春グループ廖龍星董事長