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新エネ普及へ安全評価基準の整備を
次世代エネルギーを牽引する太陽光発電システムとリチウムイオン2次電池(LiB)の有望市場として日本が注目されている。世界中の新エネルギー関連メーカーが日本仕様の製品を訴求中だが、インフラとして普及を図るには高度の安全性がまず確保されねばならない。世界に先駆けて実効性の高い評価基準を整備すべきである。
再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が始まって1年が過ぎた。収益性の高さに着目して太陽光発電や風力発電の導入が急速に進んでいる。成長市場とみた中国など海外勢は、欧州市場で販売を計画していた太陽電池を急成長を続ける日本市場で売り切ろうと安値攻勢をかけている。
ここで注目すべきは安全性である。コストを重視するメガソーラー事業者は海外品に関心を示すが、日本製に比べて20%以上も安価なものの「あの使用部材では5年もたない」との太陽電池大手の指摘もある。補助金を得るには電気安全環境研究所(JET)認証取得が必須だが、「認証は何ら信頼性を保証するものでない」という。塩害が懸念される海沿いのほか、パネルの一部が影になる地域に立地したメガソーラーは、発電効率の低下のみならず、発火のリスクも懸念されるところだ。
このようなリスクはLiBではより深刻である。ボーイング787に搭載するLiBの不具合の原因は完全に解明されていない。LiBは日本の発明品であり、技術的知見も蓄積されている。電池関係者の見方をまとめると、「電池内部のショートで熱暴走した。セパレーターのシャットダウン機能は急激に低下したようだ。過酷な環境下にあってセパレーターが薄化していた可能性がある」。航空機向けという新用途に設計が対応しきれていない様子だが、推定の域をでない。緊急避難的な対応という見方も根強いだけに、LiBの抱える技術的な不安を大きくしている。
エコカーに搭載するLiBの不具合も続いた。LiB業界がもっとも期待を寄せる電気自動車市場の立ち上がりは2-3年ずれ込むとみられるが、さらに数年遅れることも考えられる。スバルは同社初のハイブリッド車に、安全性を重視して技術が確立しているニッケル水素2次電池を選んだ。
現在、ガソリン車並みの性能を発揮する電気自動車を目標に国を挙げてLiBの開発が進められているが、量産化されて20年も経つのにLiBが劣化するメカニズムさえ明らかになっていない。科学的な知見を生かして、太陽光発電システムやLiBの国際的に通用する評価基準が待たれる。