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2013年07月16日 前へ 前へ次へ 次へ

中国の化学物質規制に情報発信を

 「世界で最も厳しい化学品の管理法令」と形容される中国の危険化学品安全管理条例が、上海市で本格運用が始まった。同条例に携わる上海市安全生産監督管理局が6月14日付で、危険化学品登記手続きを示したウェブサイトを掲載した。実際に登記を受け付ける上海市化学品登記注冊弁公室も、登記開始を促し、登記に必要なコンピュータシステムや関連書類の整備もほぼ完了したという。
 一方で、登記の運用に際しては「見切り発車の感が否めない」(上海の日系化学品商社)、「登記を受け付ける当局からの説明や情報開示が少なく、説明会開催などの明確な情報もない」(上海の日系コンサルティング企業)など日系化学や関連企業から不安の声が続出している。登記に要する費用や登記が必要な物質の明確な定義、輸入時の必要書類からプロセスなど当局間でも意思統一がなされていないケースも多く、現場の混乱に拍車をかけている。
 ただ、中国をよく知る日系専門商社などの間では「少し時間はかかるだろうが、中国はこの危険化学品安全管理条例を確実に運用していくだろう」との見方も多い。当初の混乱は予想されても、環境・安全対策の強化という世界の趨勢に対応して、化学品に対する管理や法令の運用を着実に進めていくのは間違いないと考えるのが妥当だ。引き続き、同条例や関連する環境関連の法令のほか、当局の情報開示や公示などを待たなければならない部分も残している。
 この間の経過から改めて指摘したいのは、危険化学品の登記・登録への対応は、一企業や上海に拠点を置く日系商工団体による対策や陳情の範囲では限界があり、化学品のユーザーを含めた産業界としての取り組みが必要ということだ。
 中国の法案は北京の政府当局で立案、検討されている。今回も立案段階で、中国政府の担当部局は欧米系化学企業の専門家などを呼び、パブリックコメントなどの形で法案への助言や意見を聞いている。日本とも、北京の日本商会や日本化学工業協会などと化学品法規やレスポンシブルケア活動に関する情報や意見交換を始めている。
 この取り組みをさらに拡大させ、経済産業省など日本政府の関係省庁と産業界が協力して、中国の化学品管理法規に対する情報交換や、日本が蓄積してきた数々の化学品関連法令や運用経験に基づく提案活動を行うべき時期に来ているのではないか。上海で登記が始まった危険化学品安全管理条例を機に、日本の化学業界は日本政府やユーザー産業も巻き込んで中国における情報発信活動がより重要という認識が求められる。


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