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変わらない中国重視の海外投資戦略
尖閣国有化を契機に起こった中国の反日デモの影響は、日本企業の中国事業に影を落としている。多くの企業は、短期的には中国事業の売り上げ減少が避けられないと判断、投資の見直しや慎重な対応が必要と感じているようだ。一方で成長を続ける巨大市場は、グローバル展開の中核に位置付ける戦略を変更しない企業が大勢で、リスク分散を図りつつ投資を継続する姿勢だ。中国とどう向き合うか、企業のみならず政府間でも引き続き難しい局面が予想されるが、過度な緊張感を抑制して柔軟な対応が必要になろう。
経済産業省が昨年末に公表した海外現地法人四半期調査によると、日本企業の海外売上高は着実に増加し、先行きもプラス成長が見込めることが明らかになった。北米は自動車を中心に好調に推移し、欧州経済も小康を保ち、12年度下半期以降は増収が見込める。ASEANなどアジアは好調を維持しているが、例外は中国だ。
12年7-9月期は反日デモの影響は限定的で、香港を含む中国事業の売上高は前年同期比6%台の伸びとなったが、10-12月期、1-3月期は自動車などで減少すると回答した企業が増加した。化学は10-12月期に増加するものの、1-3月期に減少とする企業が大勢となった。短期的には中国事業は厳しい環境が続くと判断している。
一方で中国向け設備投資額は、スローダウンしているものの、増加を維持すると回答する企業が過半を占めた。反日デモで大きな被害を受けた自動車関連企業も、引き続き増産投資を計画しており、化学も拡大が予想されている。
同様な傾向は、国際協力銀行が行った製造業企業の海外事業展開に関するアンケート調査からも窺える。中国とほぼ同時期に緊張の高まった韓国に関しては、大きな影響はないとする反面、中国事業では約3分の2の企業がマイナス影響を受けたと回答。半年後の販売水準も約半数の企業が尖閣問題の発生前の水準に戻らないとした。
この間の情勢変化を受けて、6割強の企業が中国事業の見直し、慎重な対応が必要とした。また4分の3の企業が他地域へのリスク分散を考えている。それでも中期的な有望事業展開先に関しては、中国が引き続き1位を確保した。
企業の中国事業への姿勢は、ブレーキとアクセスを慎重に踏み分ける状態が続きそうだ。日中間の領有権を巡る紛争は長期化が避けられないのが現実だろう。政府には領土問題に対する基本原則を堅持しながら経済摩擦解消、グローバル化支援や投資環境改善に向けた現実的な対応も求めたい。