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2012年09月03日 前へ 前へ次へ 次へ

厳しい環境で問われる戦略と具体策

 「2012年の売上高は約390億-400億ユーロに達する」。バイエルのマライン・デッカーズ社長は、第2四半期業績の発表に際し、370億ユーロと見込んでいた売上高を上方修正した。特別項目計上前のEBITDA(金利・税・減価償却費計上前利益)も当初の見通しを上回るという。
 為替動向によって、欧州企業に有利な環境が生み出されているとはいえ、バイエルのように12年業績について強気の見通しを明らかにする欧州の化学企業は少なくない。ランクセスは通年の特別項目計上前のEBITDAが前年比5-10%増となるとの見通しを変えなかったが、アクセル・ハイトマンCEO(最高経営責任者)は「前年を上回る結果を達成する軌道にある」と述べている。
 バイエルは第2四半期の売上高が約102億ユーロとなり。四半期ベースでは過去最高を記録した。ヘルスケア、農薬関連、素材科学の各グループが増収に貢献、とくに農薬関連は力強い成長が続いた。ランクセスの売上高は、前年同期を8・1%上回り24億2000万ユーロとなった。両社ともに増収の主な要因として為替変動をあげているが、第2四半期の好業績によって自信を深めたことは間違いない。
 一方で、BASFのクルト・ボック会長が「中国の成長が減速に転じたことにより、第1四半期と同様に第2四半期においても、アジアでの現地通貨建ての売上高が減った」というように、難しい局面を迎えていることは確かだ。「環境はますます厳しくなる」とするランクセスのハイトマンCEOの認識は各社に共通しており、「下半期の需要が上半期と比較して上向くとは予測していない」(BASF)、「下半期にさらなる拡大は期待できない」(ランクセス)状況にある。
 こうした状況を反映し、いち早く収益改善計画に乗り出した企業もある。DSMは14年までに1億5000万ユーロのEBITDA改善効果を引き出す計画を進める。この結果、約1000人を削減することになる。BASFは「アジアの業務回復の見通しが不透明であることから新興市場を中心とした従業員の増員計画のペースは落ちる」としている。
 不透明感が増すなかで、環境の変化にいち早く対応する施策は重要だ。同時に重要なことは、将来を切り開く明確な戦略とそのための具体策である。合成ゴム事業で積極的な投資を続けるランクセス、ライフサイエンス事業を強化するために複数の買収を実行したDSMなど、欧州企業は将来に向けた戦略と具体策を実行している。生き残りにかける強い意志を感じる。


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