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2011年04月21日 前へ 前へ次へ 次へ

改正化審法施行で浮び上がった課題

 改正化学物質審査規制法(化審法)が4月1日に本格施行された。リスクベースの化学物質規制に枠組みを大きく転換したが、届け出が必要になる企業が急増、中堅・中小事業者に戸惑いが起きている。さらに東日本大震災によってリスク評価手法の確定に向けた作業が遅れている。きめ細かな啓蒙普及活動によって、スムーズな施行が求められている。
 化審法は「2020年までに化学物質による人や環境への悪影響を最小化する」とする国際合意に基づいて改正され、10年4月から二段階で施行された。欧州の新化学品規制(REACH)と同じく、リスクベースの管理や、化学品のユーザーの含めたサプライチェーン全体での情報共有など共通点は多い。一方で、すべての化学物質を対象に、その評価を事業者の義務とするREACHに対して、化審法はリスクを重視して対象物質に優先順位を付けて絞り込みを行うとともに、評価は国が責任を持つという相違点もある。
 改正化審法の安全性評価では製造・輸入量が年間1?以上の化学物質が対象になる。これまでは不要だった既存化学物質も届け出が必要になり、約8000物質が想定されている。従来の新規化学物質を対象にした規制から、1?以上の化学物質に枠が広がったことで1000社程度の企業にも義務が生じる。
 このため、経済産業省と製品評価技術基盤機構(NITE)では全国7会場で説明会を開催してきたが、その後のアンケート調査や問い合わせから、化学物質の用途分類などの理解が浸透しておらず、混乱が懸念されるという。一般化学物質の届出期間は6月末だけに、NITEでは5月に追加の説明・個別相談会を開催することにした。
 改正化審法では、環境排出量から化学物質を評価(スクリーニング評価)を行い、リスクが懸念される物質を優先評価物質に分類してより厳しいリスク評価をする。すでに既存化審法で分解性や蓄積性が懸念されている第二種監視化学物質および第三種監視化学物質から88物質を優先評価物質に指定したが、これに加えてスクリーニング評価を行った化学物質から優先評価化学物質が選ばれる。
 当初は1000物質程度を想定していたが、大幅に絞り込まれそうだ。リスク評価の視点からは歓迎すべきだが、REACHなどと整合性がないと産業界の負担は軽減されないという事態も懸念される。またリスク評価手法の確立が遅れている。用途分類はスクリーニング評価の50から約280に増えて、より詳細なデータが求められるだけに手法を早期に決めて、的確な情報発信が求められる。


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