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2011年04月11日 前へ 前へ次へ 次へ

東日本大震災 主要樹脂フィルム 4月末には全工場が通常運転

 主要樹脂フィルムは、震災の影響を受け停止した東北、関東地方の生産ラインが相次ぎ再稼働を始めた。国内主要設備のうち、現在も停止しているのは2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)で1工場、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)で2工場、延伸ナイロンフィルム(ONY)で1工場、ポリエステル(PET)フィルムで1工場に減少。これらの停止設備についても、全てのラインが4月末までには通常運転に復帰できる見通しだ。ただ、原料レジンや副資材の入手難のほか、倉庫やストックポイントの復旧の遅れ、夏場の節電対応など多くの懸念材料が残されており、市場で樹脂フィルムの品薄が解消されるにはなお、相当の時間が必要となりそうだ。
 「出せる製品は全部出せ!」3月11日の震災直後から、汎用樹脂フィルムは需要家の厳しい供給要請への対応に追われた。千葉、茨城、福島・・・関東、東北地方の工場が震災の影響で軒並み操業停止に追い込まれ、原材料の入手難や計画停電も追い討ちをかけ供給が需要に追いつかない状況となった。
 樹脂フィルムは皮肉にも、大惨事によりその価値が見直された。「包材がなければ食品を安全に輸送できない...」。もとより承知のフィルムメーカーは、関東以西の工場で軒並み超フル生産に入る一方で、停止設備の復旧作業を急ピッチで進めた。この結果、OPP、CPP、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)フィルム、ONY、PETの主要5フィルムは、遅くとも5月上旬には主力工場が全て通常運転に復帰できる見通しとなっている。
 ただ、製造設備が普及しても、直ちに市場で品薄が解消される見込みは立っていない。まず、製造設備に比べ在庫機能の回復が遅れている。現時点でも、設備自体は復旧しているのに、倉庫が使えないために稼働が上がらないケースや、運転を再開できないケースがある。震災により軒並み被害を受けた自動倉庫類は、ラック、レール、配線などの修理依頼が殺到しており、修繕用の資材も不足しているという。
 次に、原料レジン、副資材、樹脂フィルム基材、食品包材に至るサプライチェーン全体で在庫が払底している。とくに、被災地域周辺では、川下の食品包材の在庫はゼロ状態だ。チェーンの各段階における入手難は、連鎖的にチェーン全体の供給不足に拍車をかけている。供給が需要を上回らなければ在庫が増えないなかで、この構図からいつ脱却できるのか不透明だ。
 とくに、樹脂添加剤などチェーンの一部には、被災したメーカーに普及のメドがたたず、在庫切れまでに代替品へのシフトが必要など、綱渡り的状況の製品もあるという。これらに加えて夏場の電力不足の問題がのしかかる。計画停電という最悪のケースは回避される見通しだが、供給力が抑制されることに変わりはない。
 樹脂フィルムの価値が再認識された今、市場の混乱を収束させるためには、チェーン全体、業界全体が知恵を絞り、日本が必要とするフィルム供給量を確保する仕組みづくりが必要となっている。


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